歯科治療で注目のマイクロスコープとは?歯を削らずに治療できる新しい選択肢2025.06.23
歯の治療では「出来るだけ削りたくない」「痛いのは苦手」と感じる方も多いと思います。
そんな声に応える形で、最近では「マイクロスコープ」という機械を使った治療が注目されています。
マイクロスコープとは、肉眼では見えにくい部分までしっかり拡大して確認できる歯科用の精密な機械です。
小さな虫歯や細かなヒビなども見逃さず、より丁寧でやさしい治療ができるようになります。
本記事では、マイクロスコープとは何か、その特徴や活用法、治療を受ける際のポイントなどをご紹介します。
マイクロスコープとは?―歯を守る新しい選択肢

マイクロスコープは、歯の細かい部分までしっかり見えるようにしてくれる機械です。
目では見えづらいところまで確認できるので、出来るだけ歯を削らずにやさしく治療することができます。
肉眼の20倍!マイクロスコープってどんな機械?
マイクロスコープは、歯の治療に使われる「とてもよく見える顕微鏡」のような機械です。
目や脳の手術で使われていたものを、歯科用にアレンジして導入されています。
マイクロスコープの特徴は、何と言っても視野が肉眼の約20倍にまで広がることです。
細かい部分まで大きく拡大して見えるので、小さな虫歯や欠けた部分なども見逃しません。
歯科医師はマイクロスコープに付いたライトで口の中を照らしながら、モニターに映る映像を見て処置を進めていきます。
歯の状態をより正確に確認できるため、治療の精度がぐんと上がります。
小さな虫歯も見逃さない精密さが魅力
マイクロスコープを使うと、ほんの小さな虫歯や歯のすき間まで、はっきり見えるようになります。
普通の診察では気付きにくいような、初期の虫歯や詰め物の浮きなども、拡大した映像で細かくチェックできます。
例えば、見た目は問題なさそうでも、エナメル質の下で進んでいる虫歯や、歯ぐきの奥に隠れた歯石なども、マイクロスコープなら確認が可能です。
お口のトラブルを早めに見つけることができれば、歯を削らずに済むことも多くなります。
歯の「削りすぎ」を防げるのはどうして?
マイクロスコープがあると、虫歯になっているところだけをしっかり見て、そこだけを必要最小限で削ることができます。
今までは、虫歯の再発を防ぐために、少し広めに削ることが多くありました。
マイクロスコープを使えば、虫歯と健康な歯の境目がよく見えるため、削りすぎずに済むようになります。
歯は一度削ってしまうと元には戻らないので、出来るだけ削らないことがとても大切です。
歯を削る量が少なくなれば、神経までの距離にも余裕ができ、将来的に歯が弱くなるリスクも減らせます。
歯医者の治療ではどのように活用されている?
マイクロスコープは、歯医者の治療において、様々な用途で活用されています。
何と言っても、目では見えにくい部分まで確認できるのが大きな特徴です。
虫歯治療をもっとやさしく、もっと正確に
見た目には小さな虫歯でも、実は内側で広がっていることがあります。
そんな虫歯を早めに見つけて、必要なところだけを丁寧に削るために活躍するのが、マイクロスコープです。
歯を大きく拡大して見られるので、虫歯と健康な部分の境目までしっかり確認できます。
従来の治療では、再発を防ぐために広めに削ることもありましたが、マイクロスコープがあれば、削る量をぐっと減らすことができます。
治療のときの不安が少なくなり、出来るだけ歯を残したいという気持ちにも応えてくれるでしょう。
神経の治療(根管治療)にも力を発揮
虫歯が進んで神経まで届いてしまったときには、根管治療(こんかんちりょう)という、神経を取り除く治療が必要になります。
根管治療は、とても細かくて複雑な作業が多く、肉眼だけでは確認しきれない部分もあります。
そこで役立つのがマイクロスコープです。
根の中の細かい通り道までしっかり見えるので、汚れやばい菌をしっかり取り除くことができ、再発のリスクを減らすことができます。
詰め物や被せ物のトラブルも早めに発見
一度治療した歯も、時間が経つと詰め物や被せ物の周りに隙間ができてしまうことがあります。
歯の隙間に汚れが入り込むと、知らないうちに虫歯が再発したり、歯ぐきに炎症が起きたりすることもあります。
マイクロスコープを使えば、小さな変化も見逃さずにチェックできます。
詰め物が少し浮いていたり、歯が欠けているなどといった、ごくわずかな異変にも気づきやすくなるのです。
問題が大きくなる前に対処できるので、マイクロスコープは歯を守るうえでとても心強い存在といえます。
マイクロスコープ治療のメリット

マイクロスコープを使った治療には、歯を守りながら処置できるなど、患者さんにとって嬉しいメリットがいくつもあります。
必要なところだけをピンポイントで治療
マイクロスコープを使うと、虫歯やヒビなどの状態を細かく確認できるため、必要な部分だけを正確に治療できます。
今までの治療では、念のために少し広めに削ることもありましたが、拡大視野で患部をしっかり見極めることで、健康な歯を削りすぎることなく、最小限の処置が可能になります。
余計なダメージを避けられることで、治療後のトラブルも減りやすくなります。
結果として、歯の寿命を延ばすことにもつながり、「削りすぎが心配」という不安も軽減されやすくなります。
治療後の痛みや腫れも抑えやすい
マイクロスコープによる治療は、余計な部分を触らずに済むため、歯ぐきや神経への負担を抑えることができます。
その結果、治療後に感じる腫れや痛みが軽くなることが多く、回復も比較的スムーズです。
さらに、初期の虫歯を早い段階で見つけやすくなるため、軽いうちに治療が完了し、体への負担も少なくなります。
痛みが苦手な方や、治療に対して不安を感じやすい方にとっても、マイクロスコープは安心できる選択肢といえるでしょう。
モニターで一緒に確認できるから安心感もアップ
歯の治療中にマイクロスコープで撮影された映像は、専用のモニターに映し出されます。
自分の歯の状態をその場で確認しながら説明を受けられるので、「今どんな治療をしているのか」がひと目で分かります。
治療前と治療後の変化も確認できるため、「しっかり治っている」という実感を持ちやすく、不安の軽減につながります。
分かりやすい説明が受けられることで、歯科医師とのコミュニケーションも取りやすくなり、納得したうえで治療を受けられるのが大きな魅力です。
マイクロスコープ治療の注意点
マイクロスコープには多くの良さがありますが、使い方や治療内容によっては気を付けたい点もいくつかあります。
事前に確認しておくことで、より安心して通えます。
治療に少し時間がかかることも
マイクロスコープを使った歯科治療は、歯や神経の細かい部分まで丁寧に確認しながら進めるため、1回の治療にかかる時間が少し長めになることがあります。
しっかりと見ながら慎重に処置を行う分、早く終わらせることよりも正確さを大切にしています。
そのため、短時間でサッと治療を終わらせたいという方にとっては、やや負担に感じる場面もあるかもしれません。
特に、仕事や家事などで忙しい方は、通院スケジュールに余裕を持っておくと安心です。
どこでも受けられるわけではないので要確認
マイクロスコープを使った治療は、全ての歯科医院で行われているわけではありません。
専門の機器が必要で、導入にはコストやトレーニングも必要なため、対応している医院は限られています。
また、機器があっても実際にどういった治療で使っているかは医院によって異なります。
例えば、根管治療など一部の治療にのみ使用している場合や、希望しないと使用されないこともあります。
マイクロスコープでの治療を希望する場合は、事前にホームページをチェックしたり、電話で確認しておいたりすると安心です。
実際に診療の際にどの程度活用されるのかも、合わせて聞いてみるとよいでしょう。
保険適用にならないケースもある
マイクロスコープを使った治療は、保険が適用されないこともあります。
現在の制度では、限られた一部の処置を除き、多くのマイクロスコープ治療は自由診療に分類されることが多いため、治療費が自己負担になる場合があります。
特に、詰め物や被せ物、歯周外科などの治療では追加費用が発生することもあるため、予め確認しておくことが大切です。
歯科医院によっては、保険内でも使っているところや、費用が追加されないケースもあるため、気になることは遠慮なく質問してみましょう。
歯を削らない治療を希望する方へ
「歯をなるべく削りたくない」と感じる方は、ここ数年でぐっと増えてきたように思います。
歯の状態を丁寧に見ながら、必要最小限の処置で済むように工夫することが、とても大切になってきています。
大樹歯科治療院ならマイクロスコープに対応
「なるべく歯を削らずに治療したい」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
当院では、できる限り削らずに済むよう、診療の進め方や使う機器にもこだわっています。
細かな部分までしっかり見えるマイクロスコープも取り入れ、必要な処置だけを丁寧に行っています。
患者さんの大切な歯を守るために、私たちも一緒に考えながら治療を進めてまいります。
不安なことがあれば遠慮なく聞いてくださいね。
