歯科の自費診療とは?保険診療との違いからメリット・デメリットまで分かりやすく解説2025.09.17
歯科治療には、健康保険が適用される保険診療と、全額自己負担となる自費診療があります。
保険診療は、費用を抑えられる一方で、使える素材や治療方法に制限があるのが特徴です。
自費診療では、インプラントやセラミックなど幅広い選択肢から治療を選べるため、見た目や噛み心地、耐久性を大切にしたい方にとって魅力があります。
本記事では、自費診療の種類・メリットについて、詳しく解説していきます。
目次
自費診療とは?

自費診療とは、健康保険を使わずに全額自己負担で受ける治療のことを指します。
保険診療では使える材料や治療方法が決まっていますが、自費診療では治療方法の制限が無いため、一人ひとりの希望や状態に合わせた治療を選ぶことができます。
例えば、見た目の自然さを重視したセラミック素材や、しっかり噛めるインプラントを取り入れることも可能です。
また、治療にかける時間を十分に確保出来るので、より丁寧で精密な診療につながりやすい点も特徴です。
費用は歯科医院ごとに設定されるため、金額に違いが出ることもあります。
自費診療と保険診療の違い
歯科の治療には大きく分けて「保険診療」と「自費診療」があります。
項目 | 保険診療 | 自費診療 |
費用 | 自己負担1〜3割 | 全額自己負担 |
治療内容 | 国が定めた範囲内 | 制限なく選択可能 |
素材 | 銀歯・プラスチックなど | インプラント・セラミックなど |
費用の統一性 | 全国一律 | 歯科医院ごとに異なる |
保険診療は、国が定めた範囲内で治療方法や材料が決まっており、どの歯科医院でも同じ費用で受けられる点が特徴です。
自己負担は1〜3割で済みますが、見た目や使用できる素材には制限があります。
自費診療は制限が無く、セラミックやインプラントなど幅広い治療法を選択可能です。
丁寧な治療が受けられますが、費用は全額自己負担となり、歯科医院ごとに金額が変わります。
自費診療で選べる治療の種類
自費診療では、保険診療では対応していない素材や方法による治療が可能です。
インプラントやセラミック、ミリングデンチャーなど、機能性と見た目の両面を考えた治療法が代表的です。
インプラント
インプラントは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する自費診療の治療法です。
土台となる人工歯根は主にチタンで作られており、骨としっかり結合する性質を持っています。その上に支台部を取り付け、セラミックなどで作られた歯を固定します。
入れ歯やブリッジと違い、周囲の歯を削ったり支えにしたりする必要がないため、残っている歯への負担を抑えられるのが大きな特徴です。
見た目も天然の歯に近く、自然に噛んだり笑ったりできる点から、生活の質を高めたい方に選ばれることが多い治療法です。
セラミック
セラミック治療は、陶器と同じ素材を用いた人工歯を装着する自費診療で、天然歯に近い白さや透明感を再現できるのが魅力です。
銀歯のように目立つことがなく、笑ったときや話したときにも自然な見た目を保てます。
素材自体が硬く強度が高いので割れにくく、表面が滑らかで汚れが付きにくいため、虫歯や歯周病の再発予防にもつながります。
また金属を使わないため、金属アレルギーの心配が無い点も安心です。
前歯など審美性を大切にしたい場面だけでなく、奥歯の治療にも幅広く使えることから、美しさと機能性を兼ね備えた治療として人気があります。
ミリングデンチャー
ミリングデンチャーは、従来の部分入れ歯の弱点を改良した新しいタイプの自費診療の入れ歯です。
通常の入れ歯はバネで歯に引っかけて支える仕組みですが、ミリングデンチャーは支えとなる歯と入れ歯を精密に加工し、はめ込むように装着します。
ミリングデンチャー特有の構造により入れ歯が動きにくく、しっかり噛めるだけでなく、支えの歯に余計な負担をかけにくいのが特徴です。
さらに、見た目が自然で目立ちにくく、取り外しや清掃も簡単に行えるため、快適さと長期的な安定性を両立しています。
高い技術力が必要なため限られた歯科医院でしか扱われませんが、噛みやすさと自然さを求める方に適した治療法です。
自費診療のメリット

自費診療には、保険診療では実現しにくい魅力があります。
治療の自由度が高く、見た目の美しさや噛み心地、耐久性まで大切にした方法を選べるのが魅力です。
自分に合った治療を自由に選べる
自費診療の歯科の魅力のひとつは、自分の希望や状況に合わせて治療を選べる自由度の高さです。
保険診療では「病気を治すための最低限の治療」が中心で、素材や方法が決められています。
一方で自費診療では、予防や見た目を整える目的の治療まで幅広く選択出来ます。
例えば、歯を白くするホワイトニングや定期的なクリーニング、金属を使わない被せ物、インプラントなどがあります。
症状やライフスタイルに合った治療を選べるため、納得感を持って安心して進めやすいのが特徴です。
見た目の美しさを追求できる
自費診療の歯科は、見た目を整える治療にも強みがあります。
セラミックやジルコニアといった素材は、天然の歯に近い白さや透明感があり、銀歯のように金属が目立つ心配がありません。
さらに、ホワイトニングやマウスピース矯正も自費診療に含まれるため、歯の色や形、歯並びまで美しく整えることが出来ます。
口元の印象が変わると、会話や食事のときも自然と笑顔に自信が持てるようになります。
歯の見た目を重視したい方にとって、自費診療は大きなメリットといえるでしょう。
噛み心地や長持ちを重視できる
自費診療の歯科では、しっかり噛めることや長く使えることを重視した治療が選べます。
セラミックやジルコニアのような高品質な素材は強度が高く、長期間使っても変色や劣化が少ないのが特徴です。
また、精密な型取りや専用の接着剤を使うことで歯とぴったり合い、虫歯の再発リスクも下げられます。
噛みやすさと耐久性を両立した治療を求める方に適しており、安心して長く使える選択肢になります。
自費診療のデメリット
自費診療は、治療の幅が広く質も高い一方で、費用や医院ごとの違いといった点に注意が必要です。
費用が高くなりやすい
自費診療の歯科は、公的な医療保険が使えないため、どうしても費用が高くなる傾向があります。
例えば、詰め物や被せ物を作るときの型取りでは、保険診療でよく使われる寒天素材に比べ、自費診療では変形しにくいシリコン製の材料が選ばれることが多いです。
また、装着時に使う接着剤も、強度が高く虫歯の再発を防ぎやすいものが使われます。
さらに、歯科技工士が丁寧に時間をかけて作業を行うため、その分の人件費も加わります。
素材や工程にこだわることで、結果的に費用が高めになるのが自費診療の特徴です。
歯科医院ごとに治療内容や費用が異なる
自費診療の歯科では、治療内容や費用が医院ごとに異なる点も注意が必要です。
保険診療は全国一律の料金ですが、自費診療は導入している設備や使う素材、歯科技工士の技術力によって金額に差が生じます。
同じマウスピース矯正やインプラントでも、費用面は医院によって大きく変わることがあります。
また、治療の進め方や説明の丁寧さも異なるため、支払う金額と仕上がりが必ずしも一致しないケースも見受けられます。
安心して治療を受けるためには、複数の医院で比較や相談をして、自分に合った選択をすることが大切です。
自費診療が向いている人とは
自費診療は、保険診療では満足出来ない人や、治療の質にこだわりたい人に向いています。
費用は全額自己負担になりますが、その分だけ自由度が高く、自分に合った選択がしやすいのが特徴です。
- 自然な見た目を重視したい人
銀歯ではなく、白く透明感のあるセラミックやインプラントを選びたい - 噛み心地や快適さを大切にしたい人
インプラントや精密な入れ歯など、機能性にこだわりたい - ライフスタイルに合わせた治療を望む人
出来るだけ短期間で治療を終えたい、集中して診療を受けたい - 長期的に安定した治療を求める人
再治療のリスクを減らし、耐久性のある素材を選びたい
多少費用がかかっても、美しさや快適さを重視したい方に、自費診療はぴったりです。
自費診療の医療費控除について
自費診療にかかる費用でも、一定の条件を満たせば医療費控除を受けられることがあります。
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の合計が10万円を超えたときに、確定申告をすることで一部が税金から差し引かれる制度です。
自費診療の場合も、治療を目的とした内容であれば対象となるケースがあります。
- 噛み合わせや機能の回復を目的としたインプラント治療
- 歯の健康維持を目的としたセラミックの被せ物治療
- 子どもの成長に配慮した歯列矯正
ただし、ホワイトニングのように見た目だけを整える治療は、医療費控除の対象外です。
まとめ
自費診療は、見た目の自然さや噛み心地、そして治療の精密さを重視できる一方で、費用や医院ごとの差が大きいという特徴があります。
インプラントやセラミック、精密な入れ歯など、選べる治療の幅が広い分、自分に合った方法を見つけることが大切です。
費用負担や治療方針をよく理解し、納得感のある診療を受けることが、安心につながります。
東京都小金井市にある大樹歯科治療院では、ミリングデンチャー・インプラント・セラミックといった幅広い自費診療に対応しています。
出来る限り歯を削らず、痛みに配慮した丁寧な診療を心がけ、分かりやすい説明で安心して治療を受けていただけるよう努めています。
精密な技術を活かした治療で、お口の健康を長く守ってまいります。ぜひお気軽にお越しください。
